いにしえのWestern Electric スピーカー・ケーブルを使ってみました。

久々にケーブルに関する投稿です。

ケーブルは何かと電線病になり易いので熱くならない様に注意しなくてはなりません(笑)。

今回、以前から気になっていったWE(ウエスタン・エレクトリック)のスピーカー・ケーブルを購入してみました。

仕様としては、芯線は単線の銅線に黒エナメル、外皮はシルク(絹)の二重巻き、さらに綿布巻きで、1940年代~50年代に製造された伝説的な、マニアの間では神格化しているケーブルらしいです。

実は、先日、JBLのスピーカー端子を交換した理由も、このケーブルを使ってみたい為だったのです。

 

届いた商品がこちらです。

私のリスニング・ルームの場合、2mも有れば十分なので1.9mを4本。

太さはスピーカーから長さが3m以下の場合は18GAがお勧めと言うことでした。

先端の加工をして行きますが、これが結構大変でした。

最初、何も考えずに、ワイヤーストリッパーを使ったら、導線とも簡単に切れてしまいました。

気を取り直して、カッターナイフで丁寧に外皮だけを取り除いて行きました。

左側が外皮を一枚剥いたところ。

最外皮をもう少し詳しく撮影しました。

細い糸が並べられた帯。これが巻き付けられています。

この裏側、つまり表面に出る方(上の写真右)はツルんとしています。

この内側は絹(シルク)で覆われています。綺麗なシルクです。

剥がすときに二枚有りました。このシルクが正巻きと逆巻きとで二重になっていました。

 シルクを剥がしたところです。

黒エナメルが出てきました。これが有名なWEの「黒エナメル」ですね。

導通を取るためには、これを剥がす必要があります。ここも苦労しました。

最初に粗目の布ヤスリを使い、仕上げは細目の金属用ペーパーヤスリを使いました。

それでも剥がれない箇所は、カッターナイフの刃で優しく削り取りました。写真ではまだ少し黒い部分が残ってます。

これを4本分、計8か所、導体出しを行いました。結構、根気が要りました。

それにしても、この年代に此処まで手の込んだ細かい作業、製造が出来ていた事に驚きと加工技術に感動しました。マイスターが作った歴史上の芸術作品ですね。私はこんな部品、製品が好きです。

何故このような構造、材料を使ったのか、試行錯誤の結果だけでは無いと思うので、技術論理的根拠を知りたいものです。

考えらるのは、電磁誘導を避けるためでしょうか?PVC被覆は静電気を引き起こし帯電し易い?。マイナスかプラスかどちらかに帯電して、これが電子の流れに影響する?それならば帯電防止のPVCにすれば良い?そんな単純なものではないでしょうね。

ここに何やら参考になりそうな事が書いてあります。↓

http://energychord.com/children/energy/trans/tl/contents/tl_em.html


因みに、上の拡大写真は、マイクロスコープを使って撮影しました。役立ってます!

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先端の加工が終わったところで、スピーカーとアンプに繋いで、音を出して聴いてみました。

今まで使っていたダイエイ電線のケーブルよりもかなり細いので不安になりましたが、出音は、巷の噂どおり、今迄使ってきたの他のケーブルとはなんか違う音です。OFC、POCC、ベルデン、ダイエイとも違う。

何が違うかって、表現が難しいですが、高域はよく伸びいて、低域は締まりが有り、ダブつかない、音数情報量多く細かい音まで出る、全体的に帯域フラットで変な癖がなく、自然な表現力でいつまでも聴きたくなる様な音です。

でも、使い始めた今は、何かが足りません。

そうです、質感は良いのですが、量感が不足している様な気がします。

70年の眠りから覚めるには、ケーブルももう少しエージングが必要なのでしょう。

色々と音楽ソースと変えたり音量を上げたり下げたりしてじっくりと聴いてみると、音量が小さい時は、確かにボーカルなどはよく通って聞こえます。これは中域から高域にかけて特徴があるのでしょう。しかし、ある程度音量を大きくすると、フォルテの音の立ち上がり、応答性(レスポンス、トランジェント)の不満や、量感不足、押し出し不足を感じます。

これは、単線の欠点、ケーブルの太さに起因するものでしょうか?瞬間的に大電流を伝送するには無理がある?

さらに聴き込むと、音空間が広がり過ぎて、なんだか位相を間違えたような音で纏まりがありません。

やはり、鳴らし込みが必要なのでしょう。


毎日、鳴らし込んで、音の変化を観察していました。

私の耳で聴いても、日々の目まぐるしい変化がわかります。

低音が徐々に出る様になり、レスポンスも良くなって行きます。さらに高域も落ち着いてゆきます。中域は少し張り出してきて、ボーカルなんかは、本当に生々しくて目の前で歌っている様です。

鳴らし始めてから、延べ時間で大体50時間経過した頃から、定位も安定してきて音に纏まりが出てきました。

そこで、思ったのですが、音が落ち着いてくると、従来のダイエイ電線の時とさほど変わらないような気もします。耳が慣れてしまったのでしょうかね。

しかし、まだ伸びしろ、変化は有りそうです。焦らずまだまだ鳴らし込みを続けます。

 

今回をきっかけにWEの虜になりそうです。WE病に注意。

このWestern Electricの部品、製品は、とうの昔に製造終了品なので市場でも枯渇状態ですが、この製品、部品を崇拝する人は多いです。まさに、オーディオ界では世界遺産級のビンテージと言えるでしょう。 

 

最近、音楽をある程度の音量で鳴らし続けていると、部屋に妙な臭いが漂ってきます。これは最近アンティークなビンテージ品を買い集めているからでしょうか? ケーブルからも? 骨董品屋の様な古臭い匂いがします。フラシボでその様に脳が反応しているのでしょうかね?

 

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