604-8Gのクロス周波数付近のディップ(中抜け)対策

 前から1.5KHzのクロス周波数のディップ(中抜け)が気になっていました。今回それを無くす評価をしました。青字追加10/4緑字追加

 ■1)1.5KHzのクロス周波数のディップ
 例えば9/8のATTの固定抵抗化後に取ったFFTでも出ています。

 上の①~③の赤〇で囲んだ1.5KHzのディップがあります。毎回少しはレベルが変動しますが、②ではー20db位は下がっています。尚、③で青〇で囲んだ所にあるディップは部屋の影響ですが、これは後で判りますが、マイク距離が~2mと長い為に起こります。

 ■2)ネットワークでの変更点
 以下の回路で、LF側のC=21.8μFを下げていくことでクロス周波数を上げます。HF側は8/26にアップしたように1.2KHzに共振のディップがあるのでこれ以上は下げれません。尚、LF側なので追加するのはフィルムコン限定とかは不要で電解コンで十分と考えています。

 下げ方は、手持ちの電解コンの50μF~220μFを直列にしてCを下げます。

 ■3)電解コンの準備
 50μF、100μF、220μFをジャンク基板等から外して使用。先ずは、50μFですが、

 49μFです。VLOSSが6%と大きいのは古いからです。次は100μFです。

 102μFです。VLOSSが0.9%と小さいのは最近のLP2020A+から外したからです。次は220μFです。

 207μFです。VLOSSが3.2%ですので最近のもののにしては大きい。

 ■4)ネットワークへの電解コンの取り付け
 先ずは、49μFからです。21μFにハンダ付けしています。

 21μFとの直列の合成のCは、15.8μFでした。

 次は、青緑色の100μFです。

 21μFとの直列の合成のCは、18.1μFでした。

 次は、黒色の220μFです。

 21μFとの直列の合成のCは、20.0μFでした。

 ■5)評価結果 ~ウーハーと同軸ツイータの両方に給電~(今回低音(2231A)と高音(2405)は切って測定)
 先ずは、MY SPEAKERでのウーハーと同軸ツイータの両方に給電したFFTです。

 ユニットの特性のみを評価する為に超ニアー・フィールドのマイク距離を10cmに短くしました。①は現状ですが、1.8KHzにー20dbのディップが見えます。②は、220μFを21μFに直列に繋いで合成C=20μFに下げたものですが、ディップはー12dbに減りました。③は、100μFを21μFに直列に繋いで合成C=18μFに更に下げたものですが、ディップはー9dbに減りました。④は、49μFを21μFに直列に繋いで合成C=15.8μFに下げたものですが、ディップは、平均レベルをー10dbと見ると、ほぼ無くなりました。

 ここで、■1)の③の青〇の範囲にあったディップが見られないことから、青〇のディップは主に部屋の影響(定在波や散乱・反射による干渉等)で出ていることが判ります。

 ■6)評価結果 ~ウーハー・ツイータのみに給電~
 以下です。

 ⑤は同軸ツイータのみで、⑥は現状のウーハーのみで、⑤⑥を合成すると上の①になりますが、1.8KHzのディップが出来ます。⑦はウーハーのみで、21μFに100μFを直列に繋いで合成のCを18.1μFとした場合で、⑧は上の④の場合で49μFを繋いで合成のCを15.8μFに下げた場合です。⑥⇒⑦⇒⑧の順にクロスが上がっているのが判ります。-10dbを平均と考えてそれを切る周波数で見ると、その順で、1.8KHz⇒1.9KHz⇒2.1KHz位になっていると思います。⑧の2.1KHz位にしないと④のように繋がらないのが判ります。
 また、⑥と⑧を比べると、1.2KHzのピークが相対的に下がっていることが判ります。レベルで言うと2db程度緩和されています。このピークの緩和は、■5)の両方給電の場合でもよく判ります。

 【結論】
 604-8Gのオリジナルネットワークのままでは、1.5~1.8KHzにディップが発生する。対策としては、LF側のCを21μFから15μF程度に下げるのが得策と考える。

 今追加した49μFは古い基板から取ったもので、VLOSSが6%と大きいしESRも2.4Ωと大きいので、最終的には50μFの電解コン(MUSE ESの47μF辺り)を購入して改造する。

 ■7)ALTECの図面集でもこのディップは確認可能
 40年位前に入手した㈱エレクトリの発行のALTECの”Speaker Units & Enclosure Drawings”の604-8Gのページの裏にJIS箱に入れた時のFFTが載っており、これでも1.5KHzに大きなディップがあるので、公知の事実です。130Hz以上は、■5)の①とほぼ同じですが、低域はJIS箱(TYPE A:~600L)は密閉箱なので130Hzから落ちています。これを見ると620Aのエンクロージャーのバスレフは結構良く考えて設計されていますね。
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