604-8Gの矩形波応答のLTspice評価

 ネットで”オーディオ自作賛歌”というブログを見ていたら、興味深い記事が出ていた。それは、NearTP 2Way 2次ネットワークと言うもので、2018/02/26のアップです。LTspiceで604-8GのLF2次ーHF3次のネットワークに当てはめてみたが、フィルタ特性が出ないので、とりあえずは、そこで問題にしていた矩形波応答を見てみました。青字追記11/15

 ■1)矩形波応答
 これについては、ブログの先輩である棚瀬さんがアナログは矩形波が綺麗に出るが、CD等のデジタルを経由した矩形波はリンギングが出るので、デジタル起因のリンギングと特性不具合起因のリンギングが区別できないと言うことで矩形波の評価は置いといてトーンバーストの評価を推奨されています。それはともかく、矩形波応答を見てみました。
 スピーカーの矩形波応答は、波形のフラット部分はボイスコイルも止まっているはずですから、音は出ないはずで、純粋には、例えばフルレンジなら立ち上がりと立下りのパルス部でのみ音が出るはずです。でも実際には振動系には質量があり、慣性によってコーン紙やダイヤフラムが動いて付帯波でパルスが残るのをどこまで減らせるかですね。キーポイントは、軽い振動糸と強力な磁界(アルニコであることも)と振動系の固定方法です。ネットワークを経由すると矩形波のフラット部分も変形するのでそういう問題もある。インパルス応答の方が情報量は多いが出力レベルが小さい・付帯波が伴う等障害が多く評価は難しい。とするとアマチュアはトーンバーストが情報量・出力レベルもそこそこあり、難易度も中程度で評価としてはいいのかなと思う。

 ■2)LTspiceの結果 ~矩形波は、0.5KHz、ネットワークはCを21⇒15.8μFに減らした改造版~
 これは以下。

 青線の矩形波が元の信号で回路ではC1の左です。黄緑の線がツイータの信号で回路ではC2の右です。赤線は、ウーハーに掛かる信号で回路ではR5の上です。水色の線がウーハー+ツイータの合成出力信号ですが、これは長い矩形波の前に鋭い+パルスと後に緩い+パルスを従えた波形になっています。

 ■3)実際のネットワークに掛かっている電気信号とスピーカーからの音声信号
 これは、全てPCオシロの信号です。①~③は、PC入力のECMマイク用のバイアスDC2Vをカットする為フローティングで測定。

 上段は、ネットワークの端子の電圧信号で、下段は実際の音声信号です。左はツイータ、中央はウーハー、右は上段はネットワーク入力、下段はツイータ+ウーハーの音声信号です。①のツイータの電気信号は、低域が欠落しているので矩形波が変形しています。②のウーハーの音声信号ですが、これは1KHzのサインカーブに180度毎に上下スパイクパルスを交互に加えたようなものになっています。③はアンプの出力ですが、これは矩形波ですが若干のリンギングがあります。
 下段はこれの音声信号ですが、④は①を微分したような感じで矩形波の垂直パルス部分でパルスを出しています。⑤は上のスパイクパルスが平坦化して1KHzのサインカーブになっています。⑥は両方を駆動した場合で、④+⑤になっています。リンギングの影響は、フィルタを通過してなくなっているようです。

 最も心配していたのは、①のツイータの電気信号に、■2)の水色の線のような前後パルスがくっ付いていないかということでしたが、無かったので安心しました。LTspiceではATTを外していますが、実際はATT経由ですのでその抵抗有無の差かもしれません。しかし良く見ると若干の前後パルスの痕跡は見られます。

 NearTP 2Way を再現してみたいと思っていますが、下記の1.でツイータのCをー側に変更してしまうとフィルター特性が片側出なくなる(両方HPFになったりする)ので今の所再現しません。アース位置を色々変えてみましたが、ダメでした。NearTP 2Way は2次ー2次ですので、2次ー3次では上手くいかないのかもしれません。

 1.ツイータ側のHPFのインダクターがプラス側に、コンデンサーがマイナス側になる様に入力での接続を変える。
 2.WooferプラスとTweeteマイナス間に電力用低抵抗3から4Ωを入れる。

 ■4)ATTを加えたシミュレーション
 実際にATT(R6:3Ω、R3:18Ω)を追加してみました。

 ATTを追加すると、水色の線の0mSにあるパルス高が■2)の場合の9.4V⇒6.4Vに減少していますのでATTの効果はあります。1mSにあるディップ深さも同様減っています。これは黄緑色のツイータパルスでもー10V⇒ー7Vと3V改善されているのでも判ります。判りやすいように2者を並べます。並べて見ると右側のATT有りは、矩形波の角が左側のATT無しと比べて鈍っています。抵抗は入れないに越したことはない。
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